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大阪大学歴史教育研究会第109回例会

大阪大学歴史教育研究会より、下記の通り例会のお知らせがありましたのでご案内いたします。詳細につきましては、大阪歴史教育研究会のHPをご覧ください。

  • 日時:2017年12月16日(土)13:30~17:30
  • 会場:大阪大学豊中キャンパス・全学教育推進機構A棟102号室
  • プログラム:院生グループ報告《福井憲彦『歴史学入門』を書き替える②》

【1】金澤大輔(日本史M1)・森井一真(西洋史M1)・薮内夏実(東洋史M1)
第9章「人と人とを結ぶもの」を書き換える

【報告要旨】
第9章「人と人とをつなぐもの」では、歴史研究における分析視角のひとつとして、人々の社会的結合が提示されている。地縁・血縁・職能的な関係はもとより、そうした関係を統治機構のなかに位置づける研究まで幅広い視野が示されている。しかし、このテーマについては日本史・東洋史・西洋史いずれにおいても膨大な研究が蓄積されており、フランス史に比重が置かれている本書では、この広がりが十分に示されていない。また、本書刊行後の研究動向についても補足をする必要があるだろう。本報告では、日・東・西それぞれにおいて、人々の社会的結合がどのように論じられてきたかを概観し、新しい研究動向について補足するとともに、各領域における研究の方向性にズレがあることを示す。この差異は各地域の特質に由来するため、乗り越えることは困難である。しかしそのうえで、学界の枠を超えて世界史の文脈で人々の社会的結合を論じる可能性を、とくに華僑の移住と地域社会の関係性に注目して検討する。

【2】佐藤一希(日本史M1)・松平桃子(西洋史M1)・ 丸山祐生(共生文明論M1)
第11章「政治と文化の再考」―現代歴史学にみる「政治文化」

【報告要旨】
第11章「政治と文化の再考」において、福井氏は、 近年の歴史学では政治史・文化史の考え方に変化が見られるとする。そして、政治史・ 文化史の新たな展開について整理したうえで、 両者が関わりを持ちうるとも述べている。しかし、政治と文化の関わりが、 現代歴史学のなかでどう理解されているのかは明確に記述されておらず、補足・具体化の必要があると思われる。したがって本報告では、この「政治と文化の関わり」が、日本史学・東洋史学・ 西洋史学それぞれでどのように理解されてきたのかについて論じる 。その際、 1980年代以降の歴史学における重要な枠組みである「 政治文化」論に着目し、この概念がどのように用いられてきたのか、また、それに関わる研究動向がどのようなものであるのかについて検討する。そのうえで、政治史と文化史の架橋という、今後の歴史学研究のなかで重要な位置を占めるであろうテーマについての論点提示を行いたい。